11日目(残180km) 静岡県静岡市スタート
朝になると足の裏から膿が垂れていた
ふやかした後に一晩乾燥させたのが良かったのかは解らないけど
表面的な痛みはこれでかなりマシになった
ただ昨日寝たところから国道に戻るのに
迷って1時間も浪費したのは痛かった
静岡の市街部を抜けると急に普通の街道になりしんみりした
この日は風はあっても日差しがきつくてしんどかった記憶がある
それでも暫く歩いているととうとうこの旅初めての海が見えた
頭にすぎやまこういち風のメロディが流れまたシクシクと泣きながら歩いた
記憶がしっかりしてからの初めての海が晴れでよかったと今は思う
ただそこからが酷かった
海は次第に見えなくなり
なーんもないと言えば住む人に失礼だが
なーんもない道を次の日まで歩く道筋だった
何度電車に乗って飛ばしてしまおうかと思ったか分からない
会う人も親切心なくその時はさみしかった
そんなんして
エビ有りますののぼりを見るたび何がエビだよとかやさぐれて
脳にばかり血をやりつつ死んだ顔つきでダラダラ歩いているととうとうパトカーに呼び止められた
警官の態度があまり好きじゃないタイプだったので
別にやましい事をしてるではなし淡々と質問に答えた
行き倒れて身元が分からないと困るんですよねーなんて
途中倒れてもちゃんと身元が分かる様にしてあるし
どれだけ俺がどうしても他人へ大きな影響が行ってしまう行き倒れに気を配って歩き
練習して計画も練って話もして
まあわかんねーよなーと頭で思ってた
鞄の中身訊かれたりしたし俺も俺でヤバイ感じ出してたんだろうなー
この日最後寝るために向かった富士川沿いの道の駅は
予想とは全然違う何階建てかの立派な建物になってて
家族連れやカップルがお祭り価格的に高価な物販をホイホイ買ってて気分が悪かった
普段ならどうってことないんだろうけど
本当にこの前後の日はイライラしていたと思う
人込みの中せっせとゴミを回収する清掃のおばちゃんの苦労を勝手に夢想しながら
100円シェイクをすすって寝た
んじゃなくて
ここで野宿しようとする人は俺だけじゃなく
寝る支度をしていると粗野っぽい人に話しかけられた
なんかあまり喋っている事が理解出来ずにもいたし
俺はそんな心理状態だし眠いし正直鬱陶しく感じ
適当にあーとか相槌を打ってた
ただそっちだと雨が降ると濡れてしまうから
こっちに荷物を置けとこれをあんまりしきりに言うので
以前買ったビニールにザックを突っ込み口を結び「そっち」に置いて眠った
これで気を悪くしたのか何なのかやっと粗野っぽい人は遠くに去った
次の朝雨だったが全く何てことなかった
あとひとつ
ヤマザキのチョコチップスナックがこの日と次の2日だけ違うものだった
ビニールにプリントされた街の絵が黄色でなくて黒くて
材料からショートニングが抜けパン部分がカッシリしていた
俺はこっちのが好みだった
どういうアレなんだろう
また東京に着いてからパッケージにさらなるバリエーションを
発見もしたけどこれは黄色いのと味が一緒だった
買ったもの
チョコチップスナック
ダブルチーズバーガー
マックシェイク
で400円ちょい
12日目に続く